屋久島 白谷雲水峡

平成24年5月

今回は屋久島トレッキングコースの縄文杉と並んで人気のある「白谷雲水峡」を散策します。こちらは、屋久杉はもちろんのこと、宮崎アニメ映画「もののけ姫」のししがみの森のモチーフとなったともいわれる「苔むす森」をはじめ、絶景を堪能できる「太鼓岩」など、見どころの多い所です。

 屋久島でトレッキングをする場合は、トレッキングに必要なものを2泊3日でレンタルしてくれる店(屋久島観光センターなど)があり、値段も、雨具で1500円~靴でも1000円~くらいなので、利用したほうが賢明です。

と言う事で、装備を整えて一番奥の「太鼓岩」を目指します。

※天候=雨、()内は写真撮影時の時間を記入します。参考程度にどうぞ。

(11:36)

屋久島の海の玄関口、宮之浦から車で30~40分。車でかなり山を登った所にあるのがこちら「白谷雲水峡」です。一応、路線バスも出ています。車で来ても駐車場があり、20台分くらい駐車できます。

これより歩いて山の中に入って行くわけですが、装備だけは確認しておく必要があります。トレッキングシューズと雨具だけは確実に用意しておきましょう。逆に言えば、装備さえしっかりしていれば、それほどきついコースではありません。

(11:39)

こちらが入口の管理棟です。ここで、入林協力金300円を払います。その時、「どこから来ましたか?」と聞かれるので、おおざっぱに「○○県から来ました」と答えておきましょう。特に入山に関する手続きなどは無いので、このまま山に入ります。

(11:42)

それでは散策開始です。はじめのうちはこのように整備された歩道を歩いていきます。若干道幅が狭いので、譲り合って歩きましょう。ちなみに歩道の上の木に赤い目印が付いているのが分かるでしょうか?この目印に従って進んで行くことになります。

(11:43)

登り始めて最初の分かれ道です。左が「さつき吊り橋」右が「弥生杉」です。弥生杉は、帰りに時間があったら見に行くのもよいでしょう。まずは「さつき吊り橋(順路)」の方に進むこととします。

(11:44)

雲水歩道を歩き始めて約3分くらいの所に、最初の関門「憩いの大岩」があります。

御覧のように大きな岩の上を歩いて登ることになります。補助的に足場もありますが、雨が降ると滑りそうで少し怖いです。

さつき吊り橋までは川沿いに進んでいくわけですが、岩場が多いので、このようなカスケードとなっている場所も見られます。手前の岩のロープが、これ以上先に行くなという目印です。

(11:47)

岩場を登りきったところです。川が近いので、雨が降っていなければ川のせせらぎが心地よいでしょう。残念ながら本日は土砂降りです。さらに川沿いに歩道が続いているので進んでいきます。

(11:48)

ひりゅう橋です。ここから「飛流おとし」という名瀑を眺めることができます。

 

(11:49)

「飛流おとし」です。写真だと、ちょいと迫力に欠けますが、落差50mの岩の急斜面を勢いよく水が流れています。本日は雨の為、いつもより余計に流れて・・・いるようです。

本線に戻り先に進みます。ちなみに、屋久島散策は、グループで来られる方がほとんどなので、大抵はこのように一列になって歩いています。見ての通りの道幅の為、一度団体さんにつかまると、そのペースで歩くことになります。広くなっている場所もあるので、ペースの遅いチームは、そこで道を譲ってあげましょう。

(11:52)

さつき吊り橋です。ここは分岐になっており、橋を渡れば「楠川歩道」、橋を渡らなければ「原生林歩道」になります。そして、残念ながら簡単な装備で来られた方は、ここで引き返すことになります。ここから本格的にトレッキングが始まります。

(12:00)

さつき吊り橋を渡って、すぐにこのような道の上り坂になります。木の根や岩で歩きにくく、さらには水たまりなんかもできています。装備さえ整えていれば、トレッキングの雰囲気も出てくるので堪能できます。

(12:08)

吊り橋からは上り坂が多く道も悪いので、下ばかり見ていましたが、ふと周りを見回してみると、古木や岩にコケの密生が目立ってくるようになります。ちなみにこの楠川歩道は、約300年~400年前に、杉を運び出すために整備されたものなのだそうです。

川のせせらぎが近くに聞こえるようになってきました。川の中の岩はコケがびっしり付いていて、イメージ通りの風景です。

(12:12)

間もなく、歩道が渓流を横切っている場所にでます。その手前の看板には上の写真のように書かれています。増水時には引き返せという事は・・・

お察しの通り、橋なんてありません。岩の上を歩いて渡ります。多くの人が歩くので、岩は滑りにくくはなってはいますが、コケの密生地です。注意して渡りましょう。

 

雰囲気出てます。綺麗な景色と渓流のせせらぎが心地よいです。川の水かささえ低ければ言う事ないのですが・・・

またしても登り道が続きます。場所によっては細めの木で歩道に剥き出た根っこが目立ちます。こういう所は根が伸びる土の層が薄いのでしょうかね。

(12:20)

三叉路に出ました。これを左に行けな太鼓岩。まっすぐ進むと奉行杉(原生林歩道)コースとなります。苔むす台は、太鼓岩方面なので、左に進みます。

現在地は11番、入口より約1.4kmです。ちなみに太鼓岩まで行くとなると、ようやく半分まで来た事になります。ここまで掛かった時間は約40分。かなり早いペースで登ってきているので、あまり当てにはしないでね。

(12:23)

先程の分岐と白谷小屋(お手洗いのある施設)までは約200メートル。その中間付近にあるのがこの「くぐり杉」です。幅約1メートル、高さは約1.5メートルくらいのトンネル状になっています。通っても大丈夫なようになっていますが、脇に迂回路もあります。せっかくなので、くぐって先に進みます。

くぐり杉を反対側から見たところです。このように板が張られています。

(12:25)

小さな広場が見えてきました。ここは太鼓岩と白谷小屋への三叉路になっています。木で出来たベンチもあるので、休憩されている方の姿が目立ちます。

現在、地図の13番。視野谷小屋の分岐点にいます。某観光ガイド本では、ここまで2時間と書いてありましたが、約40分くらいで登ってきました。 白谷小屋にはお手洗いがあります。太鼓岩、苔むす森は辻峠の途中にあるので、このまま辻峠に進みますが、白谷小屋も寄っているので、写真アップしておきます。

先程の三叉路から、白谷小屋方面に向かっています。すぐに渓流があり、その先に小さな小屋が見えます。

(12:27)

こちらが白谷小屋です。小屋と言っても鉄筋コンクリート造りで、中にはお手洗いがあり、避難小屋にもなっています。が、電気がありません。中はほぼ真っ暗でした。

(12:30)

辻峠に向かうため本線に戻ります。進み始めて間もなく、立派な杉の木が見えてきます。近所の神社などでは御神木クラスの大樹が、屋久島では至る所で目にすることができます。

上の写真の木を反対側から見たところです。こちらの木は「七本杉」と言って、上部の枝が7つに分かれているとの事なのですが、生い茂る周りの木々や、雨、霧の為確認できませんでした。

だいぶ霧が濃くなってきてます。ちなみに屋久島は月に35日雨が降るのだそうです。この雨、この湿度なら苔もよく育つでしょう。苔むす森まであと少しです。

(12:35)

何やら人だかりができています。ここが苔むす森のようです。観光地の観光ポイントと言うのはホントに分かりやすいですね。

 

苔むす森に到着です。

何種類もの苔が織りなす緑の景色。いびつな形の木々が、何か神秘的な感じを醸し出します。おやっ?写真下に何か写ってますね!?

木霊ではありませんか!と、このように小さな人形を持ってきて写真を撮っている人もいます。この森を見ていると、本当に出てきてもおかしくないような雰囲気です。

さらに先へ進みます。辻峠、そして目的地の太鼓岩までは、まだ1kmくらいあります。苔むす森で引き返す人が多いのか、ここからは人影もまばらとなり、また、道も若干険しくなります。

(12:40)

かなり霧が濃いため、神秘的な雰囲気なのですが、周囲に人がいないとちょいと不気味な感じもします。迷わないように進みます。

ちょいと後ろを振り返ってみても、誰もいませんね。そろそろ苔も屋久杉も見慣れてくる頃です。先に進みます。

(13:01)

辻峠到着です。このまま峠を越えたら縄文杉方面に行くことができます。縄文杉を見た後、こちらから降りてくるコースで、両方を堪能する方もいるようです。

ここから太鼓岩までのコースは、行きと帰りで違うルートを通ることとなります。そして道もかなり険しくなるので、注意しながら登ります。

辻峠から太鼓岩まで230m、約10分と言う事ですが、この登りは足場も良くないので、かなりきついです。下りは別ルートがあるのですが、こちらの方が距離が短いので、こちらから降りてくる方もいます。

(13:12)

ようやくここまで来ました。太鼓岩まで、あと5mです。

予想はしていましたが、真っ白です。天気さえよければ絶景を堪能できるとの事なのですが・・・。まあこれはこれで良しとします。

ちなみにこんな感じで雨が降っています。ほぼ土砂降り。雨具は「ゴアテックス」の物をお勧めします。

霧に包まれた景色も、この屋久島では神秘的な感じで良いですね。この気候のおかげで屋久島の自然が成り立っているのですから。

ちなみに、なぜ「太鼓岩」と呼ばれるのかと言うと、この岩場の写真の部分(緑の雨具の方が触っている付近の部分)を叩くと、太鼓みたいな音がするからなのだそうです。この写真さえ見ておけば、行った時に岩を見たら、すぐに分かると思います。

白谷雲水峡は、縄文杉トレッキングと並んで人気のコースですが、実はこちらの方がお勧め度が高いです。各個人の感想がどうこう言っているのを参考にするよりも、自分自身の目で確認してもらった方がよいかな。お勧めします。